クール系店員さんをお持ち帰りしちゃった話4|100円で始まったシリーズが891円になるまで
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1作目、100円でしたよね。
あの値段で売られてたら、普通は中身なんて確認しません。ジャケ買いですらない。カートに放り込んで、気がついたら読み終わってた。たぶんそんな感じだったはずです。
で、2が264円になって、3が396円になって。ここまではまだ流れで買えた。でも今回、891円です。
ワンコインを超えた瞬間に、急に手が止まる。「俺、これ惰性で買ってないか?」って。その自問が出てきてるなら、ちょっと聞いてください。
- サークルSigMart
- ページ数77
- 配信日2026-09-26
990円 891円
クール系店員さんをお持ち帰りしちゃった話4のあらすじ
舞台はカフェです。新作発売日で店はバカ混み、金髪の後輩店員が一人でカップを投げるみたいに捌いてる。その横で黒髪の先輩は、今日も男と一緒にどっか行ってしまった。エッチしてくるね、とだけ言い残して。
後輩はもう限界です。モップにもたれかかって、汗だくで、つっかれた、もうムリ、って叫んでる。この一コマがまずいいんですよ。眉が完全に下がってて、口が大きく開いてて、化粧も崩れかけてる。働いてる子の顔です。
そんな閉店後に、見慣れない袋を見つける。SWAPPING COFFEE と書いてある。中の紙にはこう書かれてる。この豆で淹れたコーヒーをシェアして飲むと、2人の身体が入れ替わる、と。
は? ですよね。普通は信じない。でも後輩は、半信半疑のまま先輩に新作の試飲だと言って差し出すわけです。
で、入れ替わる。本当に。
ここからが面白いところで、後輩のほうは明らかに最初から狙ってた顔をしてる。計画通り、という独白が出てくる。先輩の身体で、先輩がいつも連れ回してる常連の男を呼び出す。倉庫の整理を手伝ってほしいんだけど、と言って、鍵をかけて。
立ち読みで読めるのはそのあたりまで。先輩の身体を使って何をやるつもりなのか、半分くらいは察しがつくと思います。
レビューが103件から3件になってるのは、人気が落ちたからじゃない
1作目は103件、今回は3件。この並びを見て不安になる気持ちは分かります。でも理由は単純で、1作目は100円だったからです。100円のものは、みんな軽い気持ちで買うし、軽い気持ちで感想を書く。
891円のものを買う人は、買う前に悩んで、買ったあとは黙って満足する。そういうものです。数のほうは気にしなくていい。
気にすべきはページ数のほうで、1も2も50ページだったのが、3で93ページになって、今回は77ページ。しかもこの4作目、おまけに1〜2ページの短編が14本、合計27ページぶん入ってる。バニー姿の先輩とか、スーツ姿で二人を見てる誰かとか、本編とは別の衣装が次々出てくる。
つまり、本編で入れ替わりをやりきったあと、まだ27ページぶん遊ぶ余地が残ってるということです。891円の内訳としては、わりと真っ当だと思います。
クールな人が、自分の身体で喘いでるのを見せられる
この仕掛けの何が効くか、ちゃんと言語化しておきます。
黒髪の先輩って、終始クールなんですよ。落ち着いた目で、男を連れ回して、余裕のある笑い方をする。そういう人です。
その身体の中に、後輩が入る。後輩は遠慮がない。先輩なら絶対しない表情を、先輩の顔でやる。甘えた目で男に寄りかかって、指を立てて、寂しかっただの何だのと言う。横で金髪の後輩の姿をした先輩が、ドン引きした目でそれを見てる。この構図、ずるくないですか。
しかも最終的に、自分の身体が男に組み敷かれてるところを、先輩は自分の目で見ることになる。自分の胸が揺れてるのを、他人の身体から見る。自分の声じゃない声が自分の口から出てるのを聞く。
で、先輩は怒る。わたしのカラダを返しなさい、と。でもその場はもう止まらないところまで行っていて、結局二人揃って同じ男に組み伏せられる構図になっていく。片方は自分の身体で、片方は他人の身体で。
誰が誰の身体で感じてるのか分からなくなる。この混線が、この作品の正体です。
クール系店員さんをお持ち帰りしちゃった話4のサンプル、ここで財布が緩む
絵の話をします。一番やられたのは、入れ替わった直後の二人を正面から並べて描いたコマです。
黒髪のほうは目が据わってて、口元だけ少し上がってる。金髪のほうは目を見開いて、口が半開きで固まってる。同じ構図、同じ服、同じ店の中で、中身が入れ替わったことが表情だけで分かる。ここが一番うまい。
あと、金髪の後輩の顔がとにかくいいんですよ。つり気味の目に、ちょっと不機嫌そうな口。嫌そうな顔してる時間が長いのに、それが全部かわいい。緑のエプロンの上から胸の形がはっきり出てる描き方も、わざとやってる。
対して黒髪の先輩は、前髪ぱっつんで、落ち着いた目尻で、笑うと目が細くなる。この二人を並べたときの対比が気持ちいい。表紙で二人が抱き合ってるあの一枚、あれで買う人は買うと思います。
入れ替わりものって、描く側からすると地獄なんですよ
同じ顔で中身だけ違うことを、絵で伝えないといけない。セリフに頼ったら台無しになる。表情の微差だけで「これは中身が別人です」と読ませる必要がある。
自分でも作る側なので分かりますが、ここを雑にやると一気に白けます。この作品はそこをちゃんと描き分けてる。だから読む側は、何も考えずに混乱を楽しめる。得です。
4から買うか、100円の1に戻るか
結論から言うと、4から入って大丈夫です。入れ替わりコーヒーという仕掛けが今回から始まるので、前作を知らなくても話が分からなくなることはない。
ただ、金髪の後輩がなぜ先輩にあそこまで執着してるのか、常連の男が何者なのか。そのあたりは1から読んでるほうが確実に味が濃くなります。1はまだ100円です。先に100円を試して、気に入ったら4を買う。これが一番損のない順番だと思います。
◎ こういう人に刺さる
- クールで落ち着いた女性が、自分の意志とは別のところで崩れるのが好き
- 入れ替わりもの特有の「中身が誰か分からない」混乱が好き
- 金髪と黒髪、性格の違う二人を同時に見たい
- 本編のあとに短編が大量に欲しいタイプ
- 4作目でも説明なしで入れる作品を探していた
△ これは合わないかも
- 一対一のラブラブだけを求めてる人には、複数人の場面が多すぎる
- 入れ替わりの理屈をちゃんと説明してほしい人には雑に見える
- 1作目を100円で買った記憶があると、891円に抵抗が出る
- 後輩の側にかなり強引な部分があるので、無理やりが苦手だとつらい
クールな人が自分の身体で喘いでるのを、本人に見せつける。その一点を探してたなら、これです。
カフェの倉庫で鍵をかけた瞬間から、もう後戻りはないので。
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